第１０５回野宿塾（福島・広野編）
「地元三倉大活躍 林道迷走組会」
文 １日目 怪人河原田
七月十五日夜十時頃、野宿塾の準備をしていた時の事である。
自宅の真下玄関付近がドカン、ドカンとけたたましく十数回鳴った！これは何？火事？夫婦喧嘩？窓から恐る恐る覗くなんと、そ、そこには霊柩車が止まっているではないか！そして遺体の搬入中。すっかり私は意気消沈してしまった。翌日には黒装束が集まり？そこに私がザックなど背負い、そんな姿を見られたらなんとヒジョーシキな！などあれこれとりとめのない事を考え、翌日は早めの出発を決意した。
午前六時に玄関周りの雰囲気を確認し出発。常磐道守谷ＳＡで休憩。そこでなんと塾参加者の地下鉄、ゴ三浦、アベと出会う。久々に会う地下鉄が早速私を捕まえて、「ブーツが新しい、そのジャケットは釣り用か」、と私をいじってくるホットする瞬間である。
十二時三十分広野インター出口到着、塾参加者と合流。
今回の参加者は（ＫＴＭ）組長を筆頭に六人。すっかり外車にはまった（ＫＴＭ）地下鉄。バイクの馬力やトルクには興味が無いと言う、好みはじゃじゃ馬（メス）が好き？（ＸＲ６５０）アベ。アベがさじを投げたＤＲを見事に修復し参加（ＤＲ＋α）ゴミ浦。長野で修行し、野宿に開眼。今回は前泊組で「フガ」と言う妖怪？と友達（ＸＲバハ）フーガ金井。元の職業は木こりです（ＸＲ２５０）ジモティ三倉。嫌いなことは努力です（ＸＲバハ）会津の怪人こと、私河原田。そして、そして、今、いくよさんがＢＭＷを駆り群馬から見送りにきてくれました。
ジモティ三倉の地元調査の結果、ダム工事の都合でロングの林道コースは閉鎖中。また山林管理用林道にはブッシュが生い茂り、走るには上級のテクニックがいるとの報告あり。そこで組長は「高速道路を三百キロも走ったら十分でしょう」、「だいたい河原田さんはブッシュの中走れるの？」。私は「走れません、もう十分です、即、買い出し後、野宿でも」。と素直にお答えしたところ、フーガ金井氏が「お年はお幾つですか？」などとミョーな質問をする。ここも素直に答えると、フーガ金井氏が「そんな年まで自分はバイク乗れるかな〜」・・？？なんと失敬な。歳は貧乏人も、金持ちも、見栄えなどに関係無く、平等に取りますヨ！。バイクに長く乗るなら、たとえばバイクを輸入車するとか、ローンを支払うとか、しなければきっと乗れます。寺崎組には直して乗る、拾って乗る、集めて乗る、それぞれの巧みがいますヨ。巧みの元で修行し開眼することをおすすめします。
定刻午後一時出発、いわき市は以前買い出しに苦労した土地柄、いわき市でも大きいスーパーで買い出しをする。特にアルコールは確実に。アスファルトの道路を移動し、点と線を結ぶように塾は進行する。ちょっと脇道に逸れ林道を探し回る。ちょっと走り、ちょっと休憩。組長が地図を見る。組員が地図を覗き込むと、川が書いてあり道が無い。組長の方向感覚に一同脱帽。
そろそろ野宿地を探す四時半頃になり、脇道に逸れ組長が野宿地を探す。探し始めると七人が快適に野宿をするスペースが無く、一時間あまりも探し回り、目的を終えた山林管理用林道の薔薇科のブッシュが生い茂るやぶの中に突入。走行スピード時速二キロで進むと、あちらこちらで「痛ててて」、「ギャー」などと奇声が聞こえる。くたくたになってやっとたどり着いたスペースが野宿地と決定（テント三張分の元路上）。この場所では納得出来ず体力に余力がある、地下鉄とアベが薔薇科のブッシュの中をさらに前進。「オーイあったぞー」と引き返してくる。「歩いて五分、気にいらなければ雑酒進呈」と組員を説得。やっとたどり着いた場所から歩いて五分進んだ所が野宿地と決定（テント十張分の同じく元路上)。
いつものようにやっと宴会に突入する。宴会は疲れがピークに達し、壊れる壊れる。ただ個人個人が叫んでいるように聞こえるらしい。
明けてて二日目、五時起床。早起きはお得ということでテントから出ると、なぜか全員が起床しており、私が一番遅い起床らしい。「あのー、まだ五時だよね？」と確認する。なぜかご飯がすっかり炊けている組員もいた。とんとん拍子に事は進み、六時三十分頃にはバイクにパッキングを始める組員まで現れた。ちょっとちょっと出発は十時だからと思っていても、煽られてパッキング開始。七時三十分頃には全員パッキングを終了し、なぜか塾スタート。この早めの出発が怒濤の二日目の塾になるとはだれも予想出来なかった。また世間では、今年初めての熱中症で死者が出ていることを知ったのは自宅にもっどてからである。これで野宿塾の報告を終わります。
それでは、二日目は地下鉄が報告します。
出発して１時間もすると野宿できそうな所がちらほら、こんな時は陽水の「夢の中へ」思い出してしまう。こんな田舎は県道脇でも十分野宿ができそうだ。入口が少々分りづらい○○林道の峠付近は登山口になっているようで、広い駐車場がある。１０時の休憩をとったのだが、広いし、平らだし見晴しがとってもいい。この時間で誰もいないので、良い野宿地になりそうだ。
昼の買い出しの後はまた林道探索。とある林道で土砂崩れのため折り返した日陰で昼飯となる。
この日も野宿地探しは難儀を極めた。林道を行き止まりまでと枝道に入るも、そのうち道が下りになり、集落へ降りてしまう。そして折り返し。これを幾度も繰り返す。林道脇広場もない。いわき界隈には「林道脇に広場を作ってはいけない」「全ての道は通じてなければいけない」という法律があるのではと思えるくらいだ。またもややっとの思いで野宿地を決める。
悪路での折り返しの連続だったせいか、みんな少々ハイになっていた。スターウォーズの話から、オビワンの「ルーク、フォースを使え」の話がでた。それからが大変。
『火事だ！「ルーク、ホースを使え」』
『庭に水を撒かなきゃ「ルーク、ホースを使え」』
等々、実に下らないことで妙に笑えたのだった。
それから、金井さんの組会前日の古殿でのキャンプ中の話。夜、寝ていると獣の足音。そして「フガッ！」獣の息の音。あれは熊だったと怖々話す金井さん、みんなは鹿でもそういう音を出すし、猪だったかもよとも言う意見も。結局それは「フガ」という獣と言うことで決着が付きまたも大笑い。
このように迷走塾は笑いのうちに終わるのであった。
２日目 地下鉄
写真 ゴ三浦・組長・アベ
このページに関するお問い合わせは こちらまで。
Copyright by 寺崎組