怪しい四駆隊北の大地へ 続編
組長が執筆中の「ＣＣＶ」の影響か組員にやたら四駆おたくが増えてしまった。
んでもって当然正月休みは皆暇な訳で、「じゃ北海道へ行くべ」と言う事に相なった。
正月休みだけで無く、一年中暇な組長も、帰省を兼ねて参加となり、いつの間にか「オ
ートキャンパー」の取材になってしまっていたりする。
1月2日
さて今日はちっとは真面目にはしらなあかん。ところが外は雨。冬の北海道で雨に
降られちまうとはついてるぜ。ガッツンガッツンのアイスバーンの上に新雪がのっかり、
雨でかき混ぜられてタチの悪い路面になっている。
実家へ向かう組長と別れ、我々３台はＲ３８をひたすら西へ向かう。雨はボタン雪に
変わり、視界は非常に悪い。ジムニーの助手席には元地元民で現役ジムニー乗りの北脇が
乗ってサポートする。内地の雪の様に水分を含んだ雪は、そこらじゅうに、へばりつき
休憩の度に雪落としに追われる。まあこれも雪道の醍醐味だと思えば良い。少しずつペー
スの上がって来たジムニーを先頭に狩勝峠を越えた頃には夕闇に包まれかけて来た。飯と
酒はしこたま積んであるので、買い出しは国道沿いのコンビニで簡単に済ます。
ここから大雪山系に入り、菅野温泉をめざす。交通量は殆どゼロに近くなり、路面も
圧雪になってくるが、道は険しくなってくるので、気は抜けない。個人的にはこういう道
が好きなんだけどね。菅野温泉に到着するが、キャンプ場方面への道は全く入れない。
歩いて行って野宿地を設営すると言う案も有ったが、それは勘弁してもらい、少し下に
降りた道端の広場を人力でラッセルする。腰まで埋まるような雪だが、とにかく軽いので
人海戦術で何とかなってしまう。いくつかのテントをドカシーで覆い、宴会場も完成。
デカ鍋が無いのでコッフェルを総動員して地下鉄があれこれ料理を仕上げて行く。昨日の
反動もあり穏やかな夜は更けて行く。皆テントの中で寝静まった丑三つ時、数台のラリー
車が爆音を轟かせながら、山を駆け登って行った。
ウーム、やっぱりおそるべし北海道人。
今日もあまりスッキリと晴れないようだ。ラーメンで朝食を済ませ、撤収開始。
松本ナンバーのＢＥＥＴがかっ飛んで行く。んじゃあと言う訳で我々も下って行くと、
先ほどのＢＥＥＴが雪の中に突っ込んでいた。しょうがないのでワイヤーを掛け、
ダットラで引っ張ってやると、何の手応えも無いままズルズルと出てきてしまった。
全く冬の北海道をなめるんじゃねえぞ！！。
山を降り、上士幌から三国峠へと向かう。十年ほど前まではダートだったこの道も、
今は立派な山岳ハイウェイに生まれ変わってしまった。数年前からは通年開通となり、
この時期でも越えられるようになった。それが良い事なんだか、悪い事なんだか・・・。
交通量は相変わらず少ない。我々には走り易くて有り難いが、膨大な除雪費が投じられて
いる事を思うと複雑な気持ちになる。
深い深い山を越え、層雲峡に出た所で昼飯。定食の野菜を食べ残した元ちゃんは
「だから体が弱いんだよ」
と思いっ切り突っ込まれてしまうのである。
北脇の先導で旭川の市外をくぐり抜け、再びＲ３８へ戻る。航続距離の短いジムニー君
が「腹減った」と言い出した。地下鉄が「出光のスタンドが良い」とたわごとを言って
いるが、正月の北海道でそんな贅沢が通るはずも無いので却下。上富良野のホクレンに
入る。ところがその直ぐ先の出光のスタンドが有ったりする訳だ。給油のついでに向かい
のスーパーで買い出し、大鍋も調達する。後は野宿地探しだ。ここで役に立つのが、
やっぱり元地元民。北脇の発案で吹上温泉へ向かう事にする。再び道は険しくなるが、
上に温泉宿が有るので、タクシーも上がっていく。何でもないＦＲのマーク２が何で
あんなに速いのだろうか？。ウームやっぱり恐るべし北海道人。
露天風呂の駐車場の隅に車を固め、ドカシーで覆って宴会場の完成だ。ただこの露天
風呂、何年か前に北の国からだか何かで宮沢りえが入って有名になったんだそうで、人の
出入りが激しい。その上風呂上がりに冷えない為か、皆エンジンをかけっぱなしで駐車
して行くので、やかましいし臭い。まあ気にせずに酔っ払っちまおう。
「さあ飲むぞ」
と荷物を解くと、あれっ？、先程買いだした食料が一部足りない。どうやらスーパーに
忘れて来てしまった様だ。幸い酒はちゃんと積んで来てあるし、食料も他の物で充分
カバー出来そうだ。そんな訳でまた相変わらずの宴会となって行く。人がちょくちょく
集まる場所なので、残飯を狙ってキタキツネがチョロチョロしている。我々もある程度の
防備はしておいたのだが、食料の一部が被害を受けてしまった。食料を入れておいた
地下鉄のバッグは一度持って行かれたが、しばらくすると元の場所の近くに返されていた
そうだ。やっぱりキタキツネも汚い物は敬遠するらしい。
今夜もしんしんと雪が降り続いている。
1月3日
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